ルヴァンのパンはパンの味がする

酵母あそび : 日本に住むようになってから「イースト」と「酵母」という言葉をたくさんを聞いてきました。日本の「パン屋」さんはつくづく酵母遊びが好きなんだなといつも思います。「天然酵母」と言われるパンは、味と色のカーニバルです:パンイースト、ドライイースト、レーズン、イチゴ、酒麹、野菜、バラ、グリシン、ヨーグルト、リンゴ、ラベンダー、タンザワ酵母など。ヨーロッパではそのような酵母はまず見かけないです。

何もないところから生地が立ち上がるところを見ることは、もしかしたら自己満足の頂点かもしれません、しかし最も重要なことが欠けているそれは:発酵というものの健康上の利点です。フランスとは異なり、日本ではパンの特定な法律がありません。でたらめでも、たくさんの店はオーガニックと手作りのパンを焼いていると謳っています。もちろんそれが本当かどうかなど誰も気にしないし、処罰もないです。近年では、ほとんどの店が「天然酵母」で「製品」を宣伝しています。誤解を招くマーケティングです。はたして「天然酵母」を謳えばそれは自然と「健康」を意味するのでしょうか ?大きなパン屋さんで「天然酵母のパン」を売ってる!ナイスジョーク …ほとんどの「天然酵母」は、工場で栽培され調整されています(普通のイーストのように)。人をだますのは簡単!先延ばしにする必要はないのです:貪欲なパン屋さんはイーストを使って素早く大量に粗悪なパンを作るのです。一方本当のパン屋さんは、ゆっくりと時間をかけて、古来からの方法で「天然ルヴァン酵母」を使います。

天然ルヴァン酵母とは何でしょう?最初の発酵パンが失敗の結果できたものだとしましょう!伝説によると:ファラオの召使いは屋外で生の生地を準備したまま忘れていました。そこに雨が降って…麦殻に生きている酵母とバクテリアが発酵。つまり穀粉と水の混合です。穀粉の酵母(単細胞キノコ)とバクテリア(乳酸菌)が発酵をしたのです!

すべてはpHの問題です。完全な発酵の活性化のためには、時間(少なくとも12時間)と適切な酸性度(pHが5未満の場合)が必要です。私が作ってる生地のpHは約4.2です(季節と温度によって)。生地を酸性化するので、天然ルヴァン酵母はパンの栄養価を増加しタンパク質の分解変換を促します。比較すると:生イースト、ドライイーストと他の酵母のpHは5.5を超えている。天然ルヴァンのパンは消化を容易にします。

  • 天然ルヴァンは酵素(プロテアーゼ)を生成します。発酵中、プロテアーゼはグルテンの網を分解し始めるため、グルテンに敏感な人もパン を食べれるようになるのです。
  • 鉱物吸収の向上。フィチン酸は麦のリンと鉱物を貯蔵します。全粒粉の中にはフィチン酸の濃度が高いです。人間の消化器系はフィチン酸の加水分解ができないので、貯蔵された鉱物(リン、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛)を吸収することができません。天然ルヴァン酵母 の発酵の時には、pHが5.5未満になるとフィターゼ酵素が活性化されます。フィターゼ酵素はフィチン酸の阻害作用を中和することができるのです。
  • 天然ルヴァンのパンは賞味期限が延長される。ルヴァンのパンは古くならずに1週間以上保存できます。長期保存は、2つの理由によるものです:厚くてサクサクしたクラスト、湿気を捕らえて古くならない微生物。
  • 炭水化物のより良い使用。天然ルヴァンのパンの血糖指数は低いです。ルヴァンのパンの血糖指数はおよそ45。バゲット、ベーグル、食パンなどは80以上。
  • ルヴァンのパンはパンの味がする!ルヴァンの発酵は有機酸(乳酸、酢酸)と芳香族化合物を生成し、パンに比類のない香りを与えます。乳酸は甘い味を与え、酢酸(少し酢の味)は風味増強剤です(そのため塩の 量を減らすことが可能となり、ベックでは塩は15g / kg)。通常ルヴァンのファンはパンを 食べる前に1日か2日待ちます。そうすることで、すべてのアロマが現れるからです!

なぜ日本では本当の天然ルヴァンが少ないのでしょう?文化の違いでしょうか。日本では昔から全ての発酵は米麹に基づいていると思います。日本ではパンの歴史は短くパンに関する深い知識はありません(米の文化だから)。100%天然ルヴァンは簡単には焼けません。長い時間と一定の学習が必要です。機械は不要!忍耐必要!エゴなし!しかし謙虚さが必要… ルヴァンがパン屋の生活を管理するからです。その反対では不可能なのです。常連さんは私のこの言葉を何回も聞いたと思います:「お客さんは王様ではない、私に主導権はない、つまり…この店の全てはパン様が支配している!」